
86には、A型/B型/C型/D型…と、年式で微妙に異なるモデルが存在します。これをアプライドモデルと呼びます。
アプライドモデルはもともとスバル車の年次改良における分類番号なのですが、スバルと共同開発された86についてもこの概念が採用されています。
アプライドモデルは年次改良なので1年毎に変わっていき、最初の1年目に出たモデルをA型、2年目をB型…としていく決まりがあります。
どこで判断するのか?

このA型・B型をどこで判断するのか…なんですが、実は助手席ドアを開けて右下側を見ると、コーションプレートと呼ばれるステッカーが貼られています。

これがコーションプレートです。ここに書かれているアプライドモデルの部分で判断します。
上の画像の場合「ZN6A2E7」と書かれていますが、このZN6(86の型式名)の次のアルファベットがアプライドモデルです。
A2となっているので、この86はA型であるのがわかります。
アプライドモデルによって具体的に何が異なるのか、何年式のものが何型なのか…など、その詳しいポイントを見ていきます。
年次改良の詳細-前期
A型

記念すべき初代。2012年2月~2013年7月あたりに製造されたモデル。MTではオイル漏れをよく起こすモデルなのだそうです。私が乗っているモデルはこのA型。
B型
2代目。トヨタ公式ではアナウンスされていないものの、2013年8月~2014年3月までに製造されたモデルが該当。
C型
2014年4月~2015年1月に製造されたモデル。86登場から2周年が経ち、はじめての年次改良が行われました。
86の生みの親である多田哲哉氏は86を毎年改良することを明言していましたが、需給バランス(購入ユーザーが多かったことによる配送遅れ)を考慮して、落ち着いた2年後から初めて行われました。
多田氏はこのタイミングで一部改良を行ったことについて、「86は毎年進化させると言ってきた。1年目で変更しなかったのは、納車待ちのお客様がたくさんいたため」
出典:https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/643687.html
C型の年次改良では主に「操縦安定性・乗り心地向上」「外観・内装変更」「純正用品追加」「スポーツドライブロガー」の4つの分野の向上を目指したとあります。具体的には以下の通り。
【外装】
・アンテナのシャークフィン化
・サテンホワイトパール→クリスタルホワイトパールに
・スターリングシルバーメタリック→アイスシルバーメタリックに
・BBS製アルミ鍛造18インチホイールを設定【内装・足回り】
・フロントサスペンションメンバーとリアアブソーバーの取り付けボルトのフランジを肉厚にすることで剛性を向上
・ショックアブソーバーの特性を低フリクション化
・インテリアにおけるインストルメントパネル(インパネ)のデザインを一部変更
具体的にはカーボン柄をより立体的に、かつカーボン柄の範囲を広げる
尚、A・B型86でも、今回発表されたボルトやシャークフィンアンテナなどは装着できるようです。
D型
2015年2月10日に製造されたモデル。前期型最終。style CBをラインナップに設定すると共に、競技ベース用の「RC」グレードを廃止。具体的変更点は次の通り。
・電動パワーステアリングの特性を変更
・ボディ剛性の強化
・センタークラスター(エアコン周り部分)、ドアグリップに高輝度のシルバーメタリック塗装(Gグレードは対象外)
・GT“Limited”の内装色に、タンカラーミックスを設定
・8スピーカー、クルーズコントロールを標準装備(Gグレードは対象外)
・ピュアレッド、アズライトブルーを新規カラーリングに採用



また、内外装をアレンジしたカスタマイズカー86 “style CB”を設定。ファッション性を重視するユーザー向けに作られたモデルで、ヘッドライトが丸目になったり専用バンパーの設定して都会的なイメージを強調。
86ファミリーの中でも特にスタイリッシュなモデルです。価格はMT418万円、AT426万円。
年次改良の詳細-後期
E型

ここから後期型モデルに移行。2016年8月1日から発売。前面の顔の形状、特にフロントバンパーが大きく様変わりしました。
フロント部

こちらが前期モデル(A型)の顔部分。

そして、こちらがマイナーチェンジを受けたE型86の顔部分。全体的に先に向けてほっそりした表情になり、排気口部分底部がフラット→波打つような形状に変更。
また、フォグランプと一体化していたウインカーが、ヘッドライトとおなじになっています。これによって車高を下げても車検に通るようになりました。
リア部


リア部分についても大きな変更を受けています。ランプについてはブレーキランプの横付けだったウィンカーが、LED化されると共に水平に光るものへと変わっています。
メーター計器

これまでの前期型メーター。6000回転が頂点に来るタコメーターと、アナログ表示の油温計・ガソリン残量計でした。

そして、こちらがマイナーチェンジによって変化したメーター。7000回転が頂点に来るようになり、ガソリン残量やメーター計器などのディスプレイも4.2インチのデジタルモニタに変化しました。
細かいところではハンドル径も365mm→362mmへと小さくなり、取り回しの良い物となっています。
これらのビッグマイナーチェンジを受け、価格も上昇しています。
(MT車)
G…2,488,909円→2623320円
GT…2,981,880
GT-Limited…3,183,840円
F型

2017年10月4日から2018年2月まで発売されていたモデル。
改良部分はステアリングの支持剛性強化やパワーステアリングの再チューニングなど微細。
サイドミラー・リヤスポイラー・アルミホイールを黒色の塗装で統一し、Brembo(ブレンボ)社製のブレーキを標準装備した限定モデル、GT“Limited・Black Package”を新たに設定。このモデルは2018年2月までの期間限定となる。
G型

2018年3月13日から発売されている、現行で最も新しいモデル。原則的にF型と変わりなく、新カラーであるブライトブルーが追加されたに留まる。
参考文献
トヨタ自動車『TOYOTA、86を一部改良』- 2014年4月9日
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/1637301
トヨタ自動車『TOYOTA、86を一部改良』、2015年2月10日
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/6004504/
トヨタ自動車『TOYOTA、86をマイナーチェンジ』、2016年7月5日
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/toyota/21817455.html
トヨタ自動車『TOYOTA、86を一部改良』、2017年9月4日
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/toyota/21824963.html